今日は新しく入る学生全員のポートフォリオの紹介。(各自自分のポートフォリオを持って11時に集まる。それだけ聞かされていたけど、まともなオーガナイズもなく、流れに任せてダラダラやってたので、終わったのは夜の9時。ありえないよなぁ、このいい加減さ…。)しかしRCAにMAで入ってくるだけあって全体に完成度高い!(あたりまえか)。僕は作品って呼べるものがないので、ふつうにこれまでのソフト系の仕事とやりたいことを紹介したけど、やっぱり反応は鈍かったかなぁ。あとちょっと違和感を感じたのは(同じく日本から来てるGenも言ってたけど)、粒ぞろいな感じがして、センスが似てるっていうか、もっと個性的でバラバラなのを期待してたけど、優等生っぽいって感じ(そうじゃないものあるけどね)。
今回に限ったことじゃないけど、プロダクトデザイン系のモノ見てて感じるのは、3D-CADソフトをうまく使いこなした、なんていうか無国籍(?)で滑らかな「ちょっとカッコいいでしょ?」的フォルムとか、日常の中にあるものを見直してみて「ちょっといいでしょ?」的なモノとか、ちょっとひねったアイデアで「ちょっと面白いでしょ」的なモノとか、が多くない?「ちょっと○○なもの」ってそんなに必要?
で、そのポートフォリオ紹介のあと、チューター(助手みたいなヒト?)が彼自身の作品を紹介してくれたんだけど、これがまたイスとか照明とかソファとか。まあ、ここの前身が半分ぐらいはファニチャーデザイン系らしいから仕方ないかもしれないけど、いまどき大学院のプロダクトデザインでそんなに大勢がイスとか照明とかデザインする必要があるの?これが100年前(適当(笑))とかの産業革命後あたりでマスプロダクション黎明期なら意味があったと思うんだけど。その頃のデザイナーにとっては、最新の技術と新しい素材、新たな制約のなかで大量生産可能なイスをデザインするのは、かなりのチャレンジで、当時最新の技術や知識を取り入れて時代の最先端で戦ってるイメージかもしれないけど。今はどう? RCAにもいろんな設備が整ってて、学生でも(技術者がついてくれて)わりと簡単に木材も金属も樹脂もプラスティックも加工できるみたいだし、デザイナーがデザインすればそれを作ってくれるファクトリーはあるし、100年前と比べたらめちゃくちゃ楽にデザインできるはずなのに、まだそれをやってるってのもイージーすぎない?
もちろんファニチャーやるヒトもいていい。でも世の中のプロダクトって呼ばれるもののバリエーションを考えると、そういうものの比率が多すぎるんじゃないの?100年前にマスプロダクション用のイスをデザインしてたチャレンジ精神旺盛なデザイナーがもし今の時代に生まれてたら、いまさらイスはやらないんじゃないの?今、手に入る技術を俯瞰して見て新たな価値を生み出すものを考えるんじゃないの?で、そのなかでIT系、ネットワーク系は外せないんじゃないの?(少なくとも今は。そのうちバイオ、とかニューロサイエンスとかになるかもしれないけど)。 …と、そういう話をしたらGenは「でもイスだけはデザイナーにとっては特別だからちょっと違うかも」と。なるほど。イスはそうか、特別なのか。そんな気もする(あっさり(笑))。
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デザインに関しては原研哉の「デザインのデザイン」が面白い。
「デザインの生態学」はちょっと面白いんだけど、こういう対談形式の本にありがちな上滑り気味の議論がちょっと気持ち悪い。ここでもアフォーダンスで盛り上がってるけど、深澤直人はホントに理解して言ってるんだろうか?(大御所にむかって甚だ失礼ですが…すみません)。
「情報デザイン」はこの本自体の情報デザインがサイアクで読むのがツライ。「分かりやすさの設計」はドコ行ったの?深澤さんはここでも「アフォーダンス傘立て(?)」の例を出しているけど、個人的にはこのデザインがいいとは全く思えない。誰かのウチを訪ねて傘立てがコレだったら僕ははっきり言って嫌だ。
「それは情報ではない」…個々のトピックの中には面白いものも多いけど…。なんか、こう…つながってる?コレって?
「リアライジング・デザイン」…帯に「ロン・アラッド(RCA DesignProductsのトップ)らも参加…」なんて書いてるけど、ロン先生はロクなこと語ってないじゃないか。それはいいとして、グエナエル・ニコラのところが好き。こっちに来る直前に読んだけど、来てみると、「いる」。こういうヤツ。この中の誰かも将来こういうデザイナーになっていくんだろうな、と。
「プロダクトデザインの思想」プロダクトデザインっていうとあいかわらずイスとか照明とか多いけど、この中にMac128Kが紛れ込んでいて明らかに異色(笑)。Mutechの岩崎一郎曰く
しかし、最初にMacを知った時はショッキングだったなぁ。PC-9801 + N88-BASIC の時代だったもんなぁ。それと同列に並べられるとMutechもただのカッコいい電話じゃないの、って感じもしなくもない(失礼ですが…)。
あと、ちょっとヘビーで読み切れてないけど「欲望のオブジェ」。必読かと。
そしてIDEO。「発想する会社!」 コレ読むと、プロダクトデザインのなんと楽しそうなことか。実は留学先探す時にIDEO創設者のDvid Kelleyにもメールしてみたけど(スタンフォードで先生もやってるっぽかったから)返事はもらえなかったなぁ…(苦笑) でも雰囲気は似てるかも。
今回に限ったことじゃないけど、プロダクトデザイン系のモノ見てて感じるのは、3D-CADソフトをうまく使いこなした、なんていうか無国籍(?)で滑らかな「ちょっとカッコいいでしょ?」的フォルムとか、日常の中にあるものを見直してみて「ちょっといいでしょ?」的なモノとか、ちょっとひねったアイデアで「ちょっと面白いでしょ」的なモノとか、が多くない?「ちょっと○○なもの」ってそんなに必要?
で、そのポートフォリオ紹介のあと、チューター(助手みたいなヒト?)が彼自身の作品を紹介してくれたんだけど、これがまたイスとか照明とかソファとか。まあ、ここの前身が半分ぐらいはファニチャーデザイン系らしいから仕方ないかもしれないけど、いまどき大学院のプロダクトデザインでそんなに大勢がイスとか照明とかデザインする必要があるの?これが100年前(適当(笑))とかの産業革命後あたりでマスプロダクション黎明期なら意味があったと思うんだけど。その頃のデザイナーにとっては、最新の技術と新しい素材、新たな制約のなかで大量生産可能なイスをデザインするのは、かなりのチャレンジで、当時最新の技術や知識を取り入れて時代の最先端で戦ってるイメージかもしれないけど。今はどう? RCAにもいろんな設備が整ってて、学生でも(技術者がついてくれて)わりと簡単に木材も金属も樹脂もプラスティックも加工できるみたいだし、デザイナーがデザインすればそれを作ってくれるファクトリーはあるし、100年前と比べたらめちゃくちゃ楽にデザインできるはずなのに、まだそれをやってるってのもイージーすぎない?
もちろんファニチャーやるヒトもいていい。でも世の中のプロダクトって呼ばれるもののバリエーションを考えると、そういうものの比率が多すぎるんじゃないの?100年前にマスプロダクション用のイスをデザインしてたチャレンジ精神旺盛なデザイナーがもし今の時代に生まれてたら、いまさらイスはやらないんじゃないの?今、手に入る技術を俯瞰して見て新たな価値を生み出すものを考えるんじゃないの?で、そのなかでIT系、ネットワーク系は外せないんじゃないの?(少なくとも今は。そのうちバイオ、とかニューロサイエンスとかになるかもしれないけど)。 …と、そういう話をしたらGenは「でもイスだけはデザイナーにとっては特別だからちょっと違うかも」と。なるほど。イスはそうか、特別なのか。そんな気もする(あっさり(笑))。
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デザインに関しては原研哉の「デザインのデザイン」が面白い。
既に東西の冷戦は終了し、世界は経済力を暗黙の基準に動き出して久しい。経済力が価値観の大勢をしめる世界においては、想定される環境の変化に素早く反応・対応することが未来の経済力を担保する最良の方策であると人々は考えている。既に一度、歴史の中で経験している産業革命に匹敵するパラダイムの変革を確信して、人々はバスに乗り遅れることなく新たな場所へ移動しようと「コンピュータ以前の教育」によってできている自らの頭脳に鞭を入れ続けている。 - 現在のデザインは、テクノロジーがもたらす「新奇な果実」を社会にプレゼンテーションする役割を担わされ、ここでも歪みを加えられている。「今日あるものを明日古く見せる」ことに力を発揮し、好奇の食卓に「新奇な果実」を供するサービスに慣れたデザインは、新しいテクノロジーに従えられた格好で、さらにその傾向を強めてきているのである。 |
デザインのデザイン 原 研哉 発売日 2003/10/22 売り上げランキング 2,039 Amazonで詳しく見る |
「デザインの生態学」はちょっと面白いんだけど、こういう対談形式の本にありがちな上滑り気味の議論がちょっと気持ち悪い。ここでもアフォーダンスで盛り上がってるけど、深澤直人はホントに理解して言ってるんだろうか?(大御所にむかって甚だ失礼ですが…すみません)。
デザインの生態学―新しいデザインの教科書 後藤 武, 佐々木 正人, 深澤 直人 発売日 2004/04 売り上げランキング 799 Amazonで詳しく見る |
「情報デザイン」はこの本自体の情報デザインがサイアクで読むのがツライ。「分かりやすさの設計」はドコ行ったの?深澤さんはここでも「アフォーダンス傘立て(?)」の例を出しているけど、個人的にはこのデザインがいいとは全く思えない。誰かのウチを訪ねて傘立てがコレだったら僕ははっきり言って嫌だ。
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プロダクトデザイナーとして実際に体験し、あるいは見聞した範囲でいつも感じていたのは、大企業における製品化のプロセスにおいて如何に営業あるいはマーケティングといった部門の影響力が強いか、ということ。 それでは、そのような部署の人たちがいったい誰の声を代弁しているのかというと、これが販売代理店のオジサンであったりする |
しかし、最初にMacを知った時はショッキングだったなぁ。PC-9801 + N88-BASIC の時代だったもんなぁ。それと同列に並べられるとMutechもただのカッコいい電話じゃないの、って感じもしなくもない(失礼ですが…)。
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